記事一覧
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岩村亮です。 当サイトにアクセスして頂いて、誠にありがとうございます。 このサイトでは、短編小説をアップしております。現在の更新ペースとしては、四分割(時々五分割)した短編小説を、毎週月曜日に上げるような形となっています。なので、月一で一つ... -
[ノンフィクション小説]青空に描いた祈り -チョンミョンソク牧師に重ねた理想像-
*** 『英雄はいる。――誰かの空想の中に』 それが、少年が心の中に導き出している答えだった。 文明が発達し、わざわざ遠く足を運ばずとも世界と繋がることが出来るこの現代、自分の立場を放り出して、危険な地へと赴き、手を差し伸べる人はいない... -
[小説]月と鼈②
・月と鼈① *** 「円谷瑠々奈です、宜しくお願いいたします」 ジメジメとした梅雨入りの日に私たちのクラスに転入生としてやって来た瑠々奈は、鬱屈とした空気を吹き飛ばすほどのキラキラとした空気を纏っていた。 人の心を絆す表情、凛とした姿勢... -
[小説]月と鼈①
*** この地球という世界は、ひとつしかない。 けれど、だからといって世界がひとつしかないと言えばまた別の話だ。この地球に住む人の数だけ、世界というものは存在している。 私の世界は私の見てるもので構築されているし、芸能人が住む世界は... -
[小説]つくる理由④
・つくる理由① ・つくる理由② ・つくる理由③ *** 難波幸音は、好きなことに一途だった。 周りから見れば、自由奔放で猪突猛進、周りの顔色を気にしないような人間だった。 幸音にはひとつの夢があった。誰もが認めるデザインをこの世に残し、そ... -
[小説]つくる理由③
・つくる理由① ・つくる理由② *** これまで奈地壱作は、自分が好きなように生きて来た。 周りに足踏みを揃えることはせず、自分が好きなように創作をし、自分が好きな作品を世に生み出し続けて来た。 その結果として、世の人とは異なるデザイン... -
[小説]つくる理由②
・つくる理由① *** 奈地壱作は、人付き合いが苦手だ。というよりも、興味がないと表現した方が正しい。 興味がない人のことは名前と顔が関連しない。他人で脳を占めるよりも、まだ見ぬ新しい作品に全てを投資した方が、壱作には有意義だ。 壱作... -
[小説]つくる理由①
*** 嵐が通り過ぎたかのように無秩序に荒らされている自室のリビングを見た時、部屋の持ち主である奈地壱作はどこか他人事のように状況を捉えていた。 奈地壱作と言えば、稀代のデザイナーとして世に名を馳せている人間で、半世紀の間でたくさん... -
[小説]Beat the Drum④
・Beat the Drum① ・Beat the Drum② ・Beat the Drum③ *** 一人でいると、様々な感情が押し寄せて来る。悔しさ、悲しさ、時には目を背けたくなるような醜い感情もある。押し寄せる感情の波に呑まれていたら、溺れて壊れそうになるから、音という形... -
[小説]Beat the Drum③
・Beat the Drum① ・Beat the Drum② *** 「基樹。お前、バンドの掛け持ちしてるのか?」 週二回のD・S・Eのバンド練習が終わるや、俺は意を決して質問をぶつけた。いつもポジティブで明るい晃英も、俺の声音から真剣さを感じ取ったのか、茶化す... -
[小説]Beat the Drum②
・Beat the Drum① *** D・S・Eを結成するキッカケを作ったのは、俺だ。 幼少期の頃から、棒があればただただ地面を叩いた。その時の俺は何も考えておらず、無我夢中で地面を叩くのが面白かった。 やがて、小学校になって、自分の意志で音楽に... -
[小説]Beat the Drum①
*** 心臓がやけに高鳴っていた。 ステージの上に立って、俺たちだけの音を多くの人に届けることを目標にして、ここまで走って来た。そして今日、その夢に一歩近付くことが出来た。棚から牡丹餅みたいに掴んだ機会だが、ここに至るまでは、決して...
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