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[小説]ノックして③
・ノックして① ・ノックして② *** 氷央先輩から拒絶の言葉を吐かれた次の日の昼休み。 私はとある部屋の前に立っていた。特別な用がない限り普段入ることをしないこの部屋は、生物科準備室に入る時と同じくらい緊張した。 しかし、いつまでここ... -
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[小説]ノックして②
・ノックして① *** 私が生物科準備室に突撃しようと思ったのは、入学式よりも少しだけ前の話になる。 「入学手続きってどこですればいいのかな……」 入試以来二度目となる高校の訪問に、私は迷子になっていた。その時は私が寝坊したことによって、... -
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[小説]ノックして①
*** 私が通う高校の1Fの端っこに位置する生物科準備室には、ひとつの噂がある。 生物科準備室にいる上白石氷央という三年生は、生体実験にしか興味がなく、準備室に来る生き物(人間を含む)を実験台にして楽しんでいる――というものだ。 その... -
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[小説]翼を羽織って⑤
・翼を羽織って① ・翼を羽織って② ・翼を羽織って③ ・翼を羽織って④ *** まさか中学を卒業する日に、一日に二回も体育館へ足を運ぶことになるとは思わなかった。しかも、二回目は卒業する中学校の体育館ではなく、通う予定もない高校の体育館だった... -
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[小説]翼を羽織って④
・翼を羽織って① ・翼を羽織って② ・翼を羽織って③ *** 自分の部屋に戻るなり、私はエアコンのスイッチを押した。部屋の温度がみるみるうちに上がっていき、上着がなくても過ごしやすい空間になる。けれど、まだ少し寒いから、プラス一度分だけ上げ... -
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[小説]翼を羽織って③
・翼を羽織って① ・翼を羽織って② *** 「卒業おめでとう」 体育館に並べられたパイプ椅子に座りながら、続々と卒業式が進行していく。 三年間過ごしたこの体育館には、数え切れない想い出が詰まっている。入学式、合唱祭、バレー、バスケ、鬼ごっ... -
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[小説]翼を羽織って②
・翼を羽織って① *** 私が暮らす町は、駅前はやや栄えているけれど、ちょっと駅から外れてしまえば一気に人の気配がなくなるような小さな町だ。 一学年の平均人数が十五人にも満たない私の学校は、クラスも一クラスしかないのが当然で、小学校か... -
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[小説]翼を羽織って①
*** 季節はもう春だ。 日本列島の上部の方に位置する私が住む町も、冬の寒さなどなかったくらいに、空気に温もりが伴ない始めている。 なのに、この部屋では、まだエアコンを手放すことが出来ない。 扉を開けるや部屋の電気を着けると同時に、... -
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[小説]バタフライエフェクト④
・バタフライエフェクト① ・バタフライエフェクト② ・バタフライエフェクト③ *** プロジェクトリーダーという立場になって、朝の時間が大事だということをより痛感するようになった。 日々目まぐるしく働くようになって、色々と考えることも増え... -
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[小説]バタフライエフェクト③
・バタフライエフェクト① ・バタフライエフェクト② *** バタフライエフェクト、という言葉の意味を、これほど実感した日は、後にも先にもないだろう。 プロジェクトチーム内の小さな綻びには気付いていた。 けれど、俺自身がプロジェクトリーダ... -
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[小説]バタフライエフェクト②
・バタフライエフェクト① *** ただでさえ重い雰囲気が漂っている会議室が、更に居心地の悪い空間へと変わっていた。 この空気は原因を作っているのは、同じプロジェクトメンバーの仲間であり、俺より五つ上の坂居先輩と一つ年下の穴村によって引... -
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[ノンフィクション小説]青空に描いた祈り -チョンミョンソク牧師に重ねた理想像-
*** 『英雄はいる。――誰かの空想の中に』 それが、少年が心の中に導き出している答えだった。 文明が発達し、わざわざ遠く足を運ばずとも世界と繋がることが出来るこの現代、自分の立場を放り出して、危険な地へと赴き、手を差し伸べる人はいない...
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