小説– category –
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[小説]真の勝者②
・真の勝者① *** 俺には半年前から付き合い始めた彼女がいる。 彼女の名前は、亜美。 亜美と知り合ったキッカケは、ゲームだった。ここ数年で爆発的な人気を誇っているアプリゲーム『ハッピーテリトリー』について誰かと語りたくて、SNSで話... -
[小説]真の勝者①
*** 所詮世の中というものは、自分以外の人間は敵だ。 社会に出ると、その言葉がより一層身に染みて分かる。 「一番可愛いのは自分、だもんな」 公園のベンチでスマホゲームに没頭しながら、俺は思い切り溜め息を吐いた。 とある商社の営業マ... -
[小説]Let’s PARTY,Let’s DANCE④
・Let's PARTY,Let's DANCE① ・Let's PARTY,Let's DANCE② ・Let's PARTY,Let's DANCE③ *** 私がダンスをする理由はなんだろう――。 ダンスを極めようとする度に、いつも脳裏に疑問がよぎる。 私の夢は、ダンスのプロになることだ。ダンスでご飯... -
[小説]Let’s PARTY,Let’s DANCE③
・Let's PARTY,Let's DANCE① ・Let's PARTY,Let's DANCE② *** 祭りというのは参加する人が全員楽しんでこそ成功だと言えると思う。勿論それはステージに立つ側の人だけじゃなくて、観客として参加している人も巻き込んで楽しまなければいけない。 ... -
[小説]Let’s PARTY,Let’s DANCE②
・Let's PARTY,Let's DANCE① *** 「ごめん、私はやらないわ」 そう言い切った私の言葉によって、部室の中の空気が一気に冷え切ったのを肌身に感じた。特に、部長である水緒は開いた口が塞がらないようで、半開きで私のことを見つめている。 その反... -
[小説]Let’s PARTY,Let’s DANCE①
*** 祭りというのは、ただ参加するだけでも心を震わせて、塞ぎ込んでいた気分をパーッと明るくさせるものだと思う。 私は昔から祭りというものが好きだった。「水緒は祭りに行くと、本当元気が出るね」と両親からも言われるほどだった。高校生に... -
[小説]走った先は④
・走った先は① ・走った先は② ・走った先は③ *** たくさん努力して、自分なりに辛酸も舐めて、なのにその結果が報われなかったら、過ぎ去った月日はどうなってしまうのだろう。 俺は全国大会に出ることを夢見て、三年間を費やして来た。 二年前... -
[小説]走った先は③
・走った先は① ・走った先は② *** 全国への切符を手にすることが出来る大会まで、残り一か月を切っていた。ここから追い込んで、大会までにベストコンディションになるように調整をしていく。 今の俺は調子がよかった。 去年の大会で二秒の壁に... -
[小説]走った先は②
・走った先は① *** 秋の夕暮れ時に走ると、爽やかな風が身を撫でて、どこまでも走れそうな気になる。トレーニングということを忘れて、己の限界に挑戦してみたい。 ジョギングする足を自然と弾ませていると――、 「調子良さそうっすね、イッキ先輩... -
[小説]走った先は①
*** 「今年もダメ、か」 ゴールラインを割った瞬間に吐き出された息が、全力疾走の果てに出た吐息なのか、それとも落胆から出た溜め息なのか、判断が出来なかった。 多分両方とも正解だ。どちらの比率が大きいかは、自分自身が一番分かっている。... -
[ノンフィクション小説]青空に描いた祈り -チョンミョンソク牧師に重ねた理想像-
*** 『英雄はいる。――誰かの空想の中に』 それが、少年が心の中に導き出している答えだった。 文明が発達し、わざわざ遠く足を運ばずとも世界と繋がることが出来るこの現代、自分の立場を放り出して、危険な地へと赴き、手を差し伸べる人はいない...
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